太陽光実験室 ~陰の影響④ モジュール2枚にかかる陰
京都エコエネルギー学院の屋上に設置している太陽光発電システムにはTigo社の監視装置が設置してあります。
このTigo社の監視装置ではモジュール単位での出力・電圧・電流の確認ができることが特長です。
このシステムを使って陰の影響による実験を行いました。
今回ご紹介する実験は、モジュール2枚に陰がかかった時のモジュールの出力、電圧、電流がどのように変化するかを確認してみました。
実験の結果をみてもらうに当たって、太陽光発電実験室 ~太陽光発電システムに陰がかかったらどうなるの? をご確認いただくとより、理解しやすいと思います。
1.システムレイアウト
14直列×2回路(ストリングA(strA)とストリングB(strB)の2つのストリングで構成)
strAのA1、A2モジュールに陰を作り、その時のデータを取得した。
2.陰の状況
モジュールA1、A2の上で左図のように手で陰を作った。
【まとめ】 A1、A2とストリングB平均値の比較
A1 | strB平均値 | 比較 | |
出力 | 18.8W | 134.7W | 13.9% |
電圧 | 18.3V | 25.9V | 70.7% |
電流 | 1.03A | 5.2A | 19.8% |
A1のモジュールは陰ができることで、出力が13.9%まで減少したことが確認された。
A2 | strB平均値 | 比較 | |
出力 | 20.8W | 134.7W | 15.4% |
電圧 | 21.3V | 25.9V | 82.2% |
電流 | 1A | 5.2A | 19.2% |
A2のモジュールは陰ができることで、出力が15.4%まで減少したことが確認された。
これは、それぞれの陰になったモジュールの結果です。
通常のシステムでは、ストリングAを流れる電流は上記表の低い方の電流1Aに支配されますのでストリングAの出力が大きく落ち込むことがイメージできるかと思います。
※本実験は京都エコエネルギー学院で実施したデータをそのままお伝えしています。
本実験結果は、あくまで学院で実験した際のデータであり、全てのシステムが同様の結果になるというものではありません。また、Tigoのシステムが設置されていることによる影響があることも考慮する必要があります。
詳しくは、京都エコエネルギー学院開催の「保守メンテナンス研修」にて説明しています。
※太陽光実験室では、皆さんのご感想・ご意見を募集しています。
こんな実験はできないのか? こんな状況では太陽光発電はどうなるのか? 等ございましたらお気軽にメールをください。
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